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2022年11月法話『「四攝事」(四攝法)人に接する時の四つの心得』
2022年10月30日
「四攝事」(四攝法)
人に接する時の四つの心得
私たちがこの世に生きているかぎり、人と人のつながりは大切だ。というよりも、人とのつながりの中でしか生きることはできない。そしてさらに、人それぞれに自分の立ち位置がある。
家庭においては、父であるか母であるか、あるいは夫か妻か、子どもか孫か。
なら、社会にあってはどうか。会社の社員であれば、それぞれ所属する部署があるだろう。
外に出たならばどうか。電車やバスに乗るならば乗客であり、街を歩けば歩行者だ。
そんな中で私たちは暮らしている。だから、人とのつき合い方が問われる。どんな付き合い方をしたらいいのだろうかと考える。
では、仏教ではどのように教えているのであろうか。
そこで参考にするべきは「四攝事」(ししょうじ)(四攝法ともいう)の考え方である。
四攝事(四攝法)は、本来は衆生を仏道に導くための徳目であったが、普段の人間関係の基本としなければならない心得として説かれるようになった。それを四つにまとめたのが「四攝事」である。
一、布施(ふせ)真理の教えを説き物質的にも奉仕する。
二。愛語(あいご)慈愛の心でことばがけをする。
三、利行(りぎょう)善意善行で人のためになる。
四、同事(どうじ)相手の立場を思いやり、協力する。
この四つの徳目である。
やろうと思えばだれでもできそうだ。もう既に実行している人もいるだろう。
四つのうちのどれかひとつを選んで実践することをすすめている。どれかひとつを実践していると、ほかの三つが付随して来るのだそうだ。
(阿 純孝)