2022年10月法話『無財の七施』

2022年09月18日

画.阿 貴志子

無財の七施

 

 みなさんが耳にする「布施」とか「お布施」は、寺院に奉納する金品のことです。しかし、布施とは物質を介しての施しだけではありません。金品にたよらない布施もあるのです。

 古くは「無財の七施」といって、無財の布施を七つ数え上げています。また、金品にたよらないので「無財」なのです。

 では、「無財の七施」とは、

 一、眼施【げんせ】(優しい眼差し)

 二、和顔悦色施【わげんえつじきせ】(穏やかなほほえみ)

 三、言辞施【ごんじせ】(愛情にある言葉かけ)

 四、身施【しんせ】(他のために親身になる)

 五、心施【しんせ】(相手によりそう思いやり)

 六、床座施【しょうざせ (席をゆずる)

 七、房舎施【ぼうじゃせ】(自分の家に泊めてあげる。災害時に助かる)

 これらの布施が布施として成立するには三つの条件が整わねばなりません。

つまり、三輪清浄【さんりんしょうじょう】といって、施す人と施しを受ける人と施すものの三つがすべて清らかなこと。つまり利害得失、私利私欲などの汚れのないこと。三者がさわやかであって、はじめて「布施」になるのです。

            (阿 純孝)



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