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令和4年春彼岸~令和4年秋彼岸 千妙寺展示室展示テーマ
2022年03月15日
今回の展示テーマは、2つあります。
1つめは、狩野安信作とされる絵画です。
江戸時代の初め、徳川将軍家から最も重用された絵師が狩野探幽(1602~1685)なのです。しかし、狩野派宗家を継いだのは、意外にも探幽の弟、安信(1614~1685)なのです。画才のおいて探す幽に遠く及ばない、など当時の社会的評価は高いものではありませんでした。
それでも、安信はその著書『画道要訣』において「恵まれた才能のまま描いた質画(しつが)よりも、真摯に古典に学んだ学画(がくが)の方が優れている」と述べています。こうした考え方にこそ、狩野派が長く人々から支持されてきた理由があるといえます。
千妙寺には、その安信の作と伝えられた絵画が所蔵されています。まだま藤ヶ谷だ研究の余地はありますが、江戸幕府とも関係が深い千妙寺において、安信など幕府お抱えの絵師の絵画が受容されてきたことを改めて考えていく必要があるでしょう。
2つめは、藤ヶ谷村の末寺に関する文章です。
千妙寺の所在する黒子の西隣が筑西市藤ヶ谷ですが、江戸時代は真壁郡藤ヶ谷村と呼ばれていました。
ここには、かつて大乗院・東光院・正行院という千妙寺の末寺3か寺が所在していました。
江戸時代のうち、幕末のひとつ前にあたる19世紀前半、つまり文政~天保のころ、この3か寺をめぐって、樹木の無断伐採、野火による焼失など様々な事件が起こりました。その有様を文書からみていきます。