令和５年春彼岸～令和５年秋彼岸 千妙寺展示室 展示テーマ

今回の展示テーマは、2つあります。

１つめは如来と諸神の群像絵画です。

　如来像は独尊型式、二菩薩を脇侍とする三尊型式だけでなく、本来は仏教とは関係のないはずの神々が複数描き込まれている場合があります。

薬師三尊像には十二神将、釈迦三尊像には十六善神が従っています。如来の教えを信じる人々を守護する、あるいは如来の様々な功徳を諸神の姿で示す、とされます。諸神それぞれの表現も個性的であり、荘厳のなかにも、人間味さえ感じられます。

 

　２つめは千妙寺の諸堂再建に関する文書です。  

　江戸時代の千妙寺は、享保13年(1728)と弘化2年(1845)

の２度、大きな火災に遭いました。その度に再建に乗り出しましたが、年貢や祠堂金の運用だけでは、思うようになりませんでした。

　そこで、頼母子講を開く、勧進の範囲を関東全域・奥州まで広げる、有志から寄付を募る、などさまざまな工夫や手だてを講じてきました。

　また、工事に際しては、千妙寺の四か院も「事務処理」など積極的に協力しています。

　文書を通じて、困難ななかでも、寺院の維持管理に努める人々の姿が見えてきます。